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【修復的アプローチ実践事例】セクハラ案件

セクハラを受けたという労働者からの相談案件です。

相手は勤務していた会社の社長です。

社内で2人きりで、社長からパソコン操作を教えてもらっていた時に、肩をツンツンされ、肩に顔を乗せて来たというのが労働者の主張です。

私が社長から事情を聞いたところ、「セクハラなんてとんでもない。そういう事は気をつけていたことであるし、労働者が言っているような事は全く身に覚えがない。」という真っ向否定の回答。

社長とは何度も話しましたが、心底驚いていて、身に覚えがないと言う言葉に偽りは無いという印象です。

今回のケースも、他の労働問題と同じく、経営者と労働者では同じ場面を見てもそれぞれに違うストーリーがあると言う行き違いのケースだと思っています。

なので、私が修復的アプローチによって行う事は、この行き違いの原因がどこにあったのかを究明していくこと。

そして社長はこの案件を弁護士に依頼しました。

その弁護士からの回答書には「セクハラはなかった」と言い切っています。

修復的アプローチとは真逆の、応報的報復的アプローチ全開の回答です。

応報的報復的アプローチを学んできている弁護士さんですから、当然とも言えるでしょう。想定内です。

こちらとしては、それに対して応報的報復的アプローチではなく、いかに修復的アプローチで対応していくかが腕の見せ所です。

その糸口を探ろうと、労働者からさらにヒアリングを重ねていくと、社長の言動や行動に、労働者への配慮が足りない部分が次々に出てきました。

面接の場で、「⚪︎⚪︎さんて童顔だよね」と言われた。

仕事をしながら、「⚪︎⚪︎さんて大雑把だよね」と言われた。

続けて、「退職する前任者は、几帳面でとても丁寧な仕事ぶりだった」と、あたかも⚪︎⚪︎さんが仕事ができないようなことを口にした。

職場のトイレとして使っていたユニットバスに、作業服や段ボールが山積みになっていて、不潔感が漂っている。

作業員の待機部屋として利用していた部屋が、土埃が舞うような汚さだった。そこの掃除を指示された。

会社からの届け物を、他の男性従業員にさせた。そのことによって男性従業員に自宅住所を知られることになった。

おそらく社長には悪気はなく無自覚なだけなのだと思います。

ここまで探求した結果、労働者の意識が、「自分は絶対にセクハラをされた!」から「社長が本当に気付かないところで、私に対して失礼なことをしたかもしれない。」と変わってきました。

セクハラも意図したものではなく、無自覚なだけだったかもしれない。

社長にとって何より大事な事は、セクハラをしたと言う汚名を晴らすことだと思っていますので、その方向にもなってきたともいえます。

そのことを載せた、修復的アプローチの返答を弁護士さんにしました。

さて、どんな返事が来ますか?

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