こんにちは、村上達志です。
いま私は、企業の人事部の皆さんに向けて、「人を裁く」のではなく、「人と人とのつながりを育てる」ことを、人事の中心的な役割にしていきませんか?という提案をしながら活動しています。
その中でも、「ハラスメント」と呼ばれる出来事が起きたときこそ、人事が“つながりを育てる関わり方”を実践できる、大きなチャンスだと感じています。
私はこれまで30年以上、社労士・企業人事部・労働組合という立場で、職場のトラブルに関わってきました。
「ハラスメント」の問題、みなさんの職場でも耳にしたことがあるのではないでしょうか?でも私は、「これはハラスメントだ!」と誰かを断定することが、かえって人間関係を壊してしまうことがあると実感しています。
たとえば、「セクハラだ」として上司が処分される。一見、問題が解決したように見えても、その後に「被害者」とされた方が心を病んでしまう…。そんな場面を、何度も目にしてきました。
処分が行われたことで「もう終わったこと」とされてしまい、加害者と被害者との対話の機会が絶たれてしまう。結果として、加害者側に不満が残り、それがまた被害者に向けられてしまう――
そんな悪循環が生まれることもあります。
だから私は、「誰が悪いか」を決めて終わるのではなく、「これからどうしていきたいか」を関係者みんなで話し合う。
そんな関わり方(=修復的アプローチ)を大切にしています。
実際に、処分が出たあとに「ちょっと待って、それで本当に良かったのか」と話し合い、処分を撤回して、対話の場をつくり直したことで、関係が再構築されたケースもありました。
もしみなさんのまわりでも、「これってどうしたらいいんだろう…」と感じていることがあれば、ぜひ教えてください。
可能であれば、そうした場に直接関わりたいと思っています。
誰かを責めるでも、誰かが我慢するでもなく、みんなが安心して働ける職場を一緒につくっていきたい――そんなサポートができればと思っています。