ハラスメント に関する私の投稿を見て、連絡をいただいた方とお話しして、そもそも私が労働問題に関わる仕事をしていたことを知らなかったという事がわかりました。😱
そうなんです、私は15年以上、職場の労働トラブル解決をメインの仕事にしているのです。
🔶出発点はwin-win
私はそれまで「労使は対立するもの」と思い込んでいて、労使トラブルはどちらかに加担してしなければいけない業務で、やりたくない分野でした。
それが20年前に「どんな場面でも双方満足を目指す」というwin-winの考え方に出逢ってからは、180度考え方が変わり、労使トラブルが大好きになりました。
その後は、すべての労働問題に対して、win-winの姿勢で取り組んでいますが、それが通用しなかったと言う場面は一度もありません。
🔶win-winから修復的アプローチへ
2年半前に、NVC・非暴力コミュニケーションに出会い、それを学んでいく中で、修復的アプローチを知りました。
win-winが、結果としての双方満足を目指すのに対して、修復的アプローチでは、傷ついた人の心を癒すというプロセスを大切にします。
win-winを目指すということは、結果的に人の感情を大切にすることに繋がるのですが、修復的アプローチの考えを知ってからは、自分のやっていることが説明しやすくなったと感じています。
🔶企業人事部の役割を「裁く」ことから、「人と人との繋がりを育てる」ことへ
実は、「就業規則の懲戒規定に照らして処分することは止めましょう」という、社労士としては異端的な提案を、15年以上前から発信しています。
それでうまくいった場面を見たことがないからです。
そして今、「企業人事部の施策として修復的アプローチを取り入れる」ことを、自分のメインの業務とすることに決めました。
🔶「ハラスメント 」という言葉にざわつく方は、皆さん自身の感覚を大切にしてください
一般的には人事部の役割として、ハラスメントの訴えがあったときには、その行為がハラスメントかどうかを判断して、就業規則に沿って処分をするのが正しいやり方だと思われています。
そこで、私は次の文言を、就業規則の前文に入れることを提案しています。
懲戒規定は万一のために残したまま、就業規則よりも対話を優先させるということです。
職場で問題が起こったときに、まず就業規則を持ち出すと言うのは、実は冷たい非人間的な印象を従業員に与えてしまうのです。
🔶就業規則前文例
『当社は、職場におけるあらゆる関係や出来事について、「規則による判断」よりも「人と人との対話」を優先して向き合います。
トラブルや困りごとが起きたときには、まず対話を通じてお互いの理解と納得を目指すことを基本とし、そのうえで必要に応じて就業規則等に基づいた対応を行います。』
いかがでしょうか?
ちなみに先日私の友人と会って話したところ、「ハラスメント という訴えがあった際には、就業規則に照らす前に、加害者と言われる人からはしっかりヒアリングをして、その人の納得なしには処分しないようにしているよ」という話を聞きました。
やっているところは既にやっているんですね。